2011/04/24

花屋の女の子も好き

パン屋さんで働く女の子に恋をした場合。

さて、どうしたらよいのだろう。

きっとあの娘はあまり淋しがり屋じゃない。

紛れもなくパン屋なのだ。

簡単に思いつく方法として、

毎日同じ時間にお店に行き、クロワッサンを買うというものがある。

それを1年間ぐらい休まず続ければ、あの娘だってクロワッサン1つ分くらいの好意を寄せてくれるかもしれない。

もちろん僕のあだ名はクロワッサンになるだろう。

「あ、クロワッサンがまた来たよ。」とささやかれることは覚悟しておいたほうがいい。

そしてあだ名が決定したころに、あえてあんぱんを買うのだ。

「クロワッサンがあんぱんを買っただと・・・」

レジであの娘は動揺するだろう。

震えるあの娘の手を握り、僕はこう言う。

「ほんとはあんぱんが好きです。でも君のことはもーっと好きです。」

目を閉じて、僕は祈る。

その時、店内のテーブルに腰掛けていた男たちが一斉に立ち上がり叫ぶ。

「ちょっと待ったー!」

彼らのあだ名がそれぞれカレーパン、食パン、ジャム、チーズであることを知ったのはずっと後のことだ。

しょうがないさ。

なんてったってあの娘は町いちばんの美人だ。

だからパン屋さんで働く女の子に恋した場合。

あきらめてこの町を去る準備をしたほうがいい。

そして次の町でまたパン屋さんを見つければいいのさ。

2 件のコメント:

  1. 今日もパンの存在に感謝しました。ありがとう。

    返信削除
  2. どういたしまして。(きのした)

    返信削除