最終電車がダシャンダシャンとやってきて
かけこみ乗車はおやめください、かけこみ乗車はおやめくださいの叫びをかいくぐり
酔いどれて手を繋いでかけこみ乗車するようなカップルは
その繋いだ手のところでドアに挟まれドアに挟まれドアに挟まれ
そして繋がれた手は引き裂かれ、男だけ乗り遅れポツンと取り残される
ドア越しに見つめあうふたり、無情にも発車する電車
それを車内から見ていた僕は、車掌に親指を立て、グッジョブサイン
彼女の肩にそっと触れ、まあこんなこともあるさと慰める
そのようにして出会った彼女が今の嫁です、ほらかわいらしいでしょう
と紹介できますように自慢できますようにスピーチできますように
などと妄想しながら祈っていると、いや呪っていると、
僕は電車とホームの間の広くあいたスペースにビュワンと吸いこまれ
一生をそのスペースで惨めに過ごすことになるであろう
「人を呪わば穴二つ」ってそういうことだ
ボクドラえもんです
返信削除おねがいです、僕の机の引き出しから出てきてください。
返信削除(きのした)