マンションに着いたのは午前2時だった。
エレベーターに乗り、7階のボタンを押した。
閉まりかける扉を手でさえぎり、男がひとり乗り込んできた。
雨でもないのにレインコートを着ていた。
見かけない顔だなと思ったが、私は隣人の顔も知らない。
上昇するエレベーターの階数表示がいつもより遅く感じられた。
3・・・・・
4・・・・・
5・・・・・
6・・・・・
ようやく7階に着き、部屋の鍵を開け、
レインコートの男が階数ボタンを押さなかった事に気が付いたときにはもう遅かった。
私の首にはナイフが添えられ、部屋に入れと促された。
「お客さん、着きましたよ。」
タクシーの運転手の声で目を覚ました。
どうやら夢を見ていたようだ。
ナイフの冷たさがまだ首に残っている気がするが、あれは現実ではない。
マンションに着いたのは午前2時だった。
エレベーターに乗り込み、7階のボタンを押した。
閉まりかける扉を手でさえぎり、男がひとり乗り込んできた。
雨でもないのにレインコートを着ていた。
どこかで見たような顔だなと思った。いや、この顔は覚えている。
鼓動がこの密室に響き渡るくらい速く、激しくなる。
3・・・・・
4・・・・・
5・・・・・
とっさに6階のボタンを押す。
レインコートの男がすぐ後ろに立っていた。
「おい、夢と違うじゃないか。」
私の首にはナイフが添えられていた。
「お客さん、着きましたよ。」
タクシーの運転手の声で目を覚ました。
どうやら夢を見ていたようだ。
「どうかしましたか?」
「いや、変な夢を見ましてね。」
「そうですか。ところでお客さん、次はこれ持って行ったほうがいいですよ。」
運転手はダッシュボードから拳銃を取り出し、私に手渡した。
マンションに着いたのは午前2時だった。
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