2012/08/28

『いかなるときも』





















『蝉時雨』

生まれて何度目かの夏が来たら
土の中から地上にあがり、
それから数日後には死ななくてはならないことを、
蝉は知っています。

だから、蝉は夏が近づいてくるとビクビクします。
そして土の中でじっと夏が過ぎるのを待ちます。

土の温度が下がってくると、
今年は大丈夫だったと胸を撫で下ろします。

もし今年がそのときだったら、
あきらめて精一杯鳴くのです。

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